パソコンをより便利に使える周辺機器、NAS
パソコンの周辺機器でNASというものをご存じですか?
パソコン1台だけでやりくりする分には便利さが伝わりにくいものではあるのですが、使うパソコンが複数台になると、一気に便利さが引き立つ周辺機器でもあります。
ちょっとマニアックかもしれませんが、便利な周辺機器NASを紹介します。
・LANケーブルでつながる外付けハードディスク+α
NASはちょっと難しい言葉になりますが、Network Attached Storageを略した言葉です。
簡単に言うと、USBケーブルなどの代わりに、LANケーブルでつながる外付けハードディスクのようなものです。ただ、それだけにはとどまらない部分が、NASが便利な周辺機器というゆえんになります。
NASは実はそれ自体、小規模なサーバです。
中に、あまり性能は高くありませんが、れっきとしたCPUを搭載したコンピュータになっていて、ネットワーク越しにハードディスクを使えるようにするためだけのOSが動作しています。
そしてNASの最大の特徴は、同じネットワークにつながった複数のパソコンで共有して同じディスクを利用可能、ということです。パソコンでフォルダの共有をするのとだいたい同じことが、NASではより簡単に行えます。
ですので、複数のパソコンの間でファイルを共有して利用したい場合には、NASにデータを置いておけばどのパソコンからでも利用できて、他方のパソコンの電源が入っている必要がなくなる訳です。
・転送速度も十分
以前はLANでもネットワークの通信速度は100Mbps程度でした。
この規格のネットワーク経由のデータのやりとりの速度は、最大でも1秒間に10MB程度にとどまり、USB2.0接続のハードディスクの1/3程度、内蔵ハードディスクの1/10以下の転送速度しか出ません。これではさすがに遅いですね。
ですが、今はLANは1Gbpsの規格が主流になっています。こちらを利用すると、ネットワーク経由のデータのコピーでも、毎秒100MB近い転送速度を出すことが出来て、USB2.0接続のハードディスクを軽く超え、内蔵型ハードディスクに迫る性能です。
こういった環境の変化もあり、NASがより使いやすくなっていることも、便利さが向上した理由の一つです。
・NAS上のデータが自動的にバックアップにもなる
よく使うファイルなどは、パソコンとNASの両方においておくと、安全上の観点でも有効な使い方になります。NAS上のファイルのコピーが特に意識することもなく、パソコン側の大事なファイルのバックアップにもなってくれるからです。
より積極的に、大事なファイルは定期的にNASにコピーしておく、というのがより安全なパソコンの利用方法になります。
・ほとんどのNASはもっと多機能
パソコン同士の間でファイルの共有が出来る、というのはほとんど場合NASのごく一部の機能で、多くのNASはもっとたくさんの機能を持っています。
たとえば、動画や音楽データなどを保存しておくとDLNAサーバとして働いて、LANにつながったテレビやスマートフォンなどでそれら音楽、動画の再生が行えるようになったりします。
今のNASは、家族みんなでパソコンやスマートフォンを使っている方は、導入をちょっと検討してみる価値のある周辺機器になっていると思います。
ちなみに、PlayStation系のゲーム機のTVチューナーと思われているかもしれないnasneは、名前にもあるように、しっかりとNASの機能を持ち合わせています。