高性能パソコンの象徴、インテルのCoreプロセッサ

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今のパソコンの中で高性能なモデルの象徴的なパーツになっているのが、インテルのCoreシリーズのプロセッサ・CPUです。今でこそパソコン向けCPUの市場ではインテルが性能面においてダントツで、独占的な位置を占めていますが、かつてはその位置が揺らいだ時期もありました。

その時のインテルを救う形になったのが、Coreプロセッサシリーズの元祖となったチップです。今回はインテルのCoreプロセッサに関してまとめてみましょう。

・一時期CPU開発で行き詰まったインテル

インテルのCPUがCoreシリーズを名乗る前、インテルのCPUの開発方針は今と全く異なった方向を向いていました。

当時のインテルの主力CPU製品はPentium4というブランド名で、動作クロックを引き上げることをメインに据えた設計方針になっていました。

CPUの性能を向上させるには2つの方向性があり、1つは動作クロックを上げること、もう一つはクロックあたりの性能を上げることですが、Pentium4はとにかくひたすらに、動作クロックを上げることのみにフォーカスした製品でした。

当時のPentium4の最高クロックは3.8GHzで、現在の最先端のプロセッサとほとんど同等です。ですが、動作クロックを上げることのみに絞り込んだ設計だったため、クロックあたりの性能は褒められたものではなく、実効性能では、現在のCoreプロセッサよりもずっと低い性能にとどまります。

現在もCPUのクロックが向上していないのも全く同じ理由ですが、動作クロックがあがるとそれにつれて消費電力も跳ね上がります。このため、動作クロック引き上げによって性能向上を目指していたPentium4は、消費電力と発熱の壁にぶち当たって、それ以上の性能向上が出来なくなりました。

同じ時期にもう一つのパソコン向けCPUメーカーのAMDは、動作クロックよりもクロックあたりの性能に重点を置いたCPUを開発して、これが実効性能においてPentium4を凌駕するレベルにまで達していました。

このことから、この時期、インテルはパソコン用CPUの市場において、シェアを脅かされることになったのです。

・CPUの開発方針を転換

その時からインテルもCPUの方向性を一新、動作クロックよりもクロックあたりの性能を引き上げる方向に舵を取りました。

動作クロックを上げやすくする設計を行うよりも、クロックあたりの性能を引き上げる設計の方がはるかに難易度が高く、さらに実装するために必要なトランジスタ数もずっと多くなる傾向が高いのですが、CPU性能をこれからも継続的に向上させ続けるには、そちらの選択肢を選ばざるを得なかったとも言えます。

また、チップを作り込むための配線技術の微細化によって、同じ大きさのチップの中に詰め込めるトランジスタ数が、数年おきに倍々ゲームで増えていったため、いろいろな機能を盛り込む余裕が出来たのも大きかったと思われます。

さらに、下手に動作クロックを引き上げるよりも、CPUの処理装置に当たる「コア」を複数持たせた方が、消費電力あたりの総合性能引き上げには適していることなども分かってきたため、Coreプロセッサシリーズも、1つのCPUの中に2個、4個、6個、さらには8個のコアを搭載する設計になりました。

このようの複数のコアを搭載することで、CPUは複数のプログラムを同時に実行する際の、実質の総合性能を引き上げる方向で性能が向上し続けています。

・高性能になりすぎたかもしれないCPU

ただ、どんどん総合性能が上がり続けてきたパソコンのCPUは、多くの人がよく使う、Webサイトの巡回や、オフィスアプリを利用する程度の用途には、性能が完全にオーバースペックな状態にまで性能が上がってしまいました。

ほとんど全ての人は、最新CPUの最高性能を使い切ることは不可能です。

このため、別のアプローチでのCPUも生まれてきてます。