パソコン用CPUを高速化するための様々な工夫

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最新のパソコンはものすごい性能を持つところまで来ています。CPUは4GHz近くの周波数で動作します。これは単純には、CPUの基本的な動作を1秒間に40億回実行できるということを意味します。

実際にはさらに並列して動作を行える仕組みが組み込まれていますので、条件さえ整えば、この数倍から10倍以上の処理を行うことが出来ます。

今のパソコンに入っているような形のCPUが生まれてからまだ半世紀たっていませんが、その間に性能は数万倍以上伸びました。この性能の向上を実現してきた仕組みを紹介します。

・CPUの性能を上げる方法、基本はふたつ

現在のCPUの性能を考えるときに基本となるのは二つの指標です。1つは、CPUが動く周波数。もう一つは、CPUが1クロックあたりにどれだけの処理を行えるか、です。

この二つの指標のかけ算で、だいたいのCPUの性能が決まります。

まず一つ目の動作クロック(周波数)ですが、これはCPUのチップを作るためのトランジスタを作り込む細かさが進展するに従って、どんどん向上してきました。現在の最先端のパソコン向けCPUは4GHz近くという、ものすごい高周波数で動作します。

ただ、動作周波数が上がるにつれてCPUの消費する電力も跳ね上がるため、ここ5年ぐらいはCPUの最高動作周波数の伸びはほぼ止まってしまいました。

もう一つは1クロックのうちに動作できる処理を増やすことです。

基本的にはCPUの内部的な動作は1クロックで1つずつしか動けませんが、同時に並行して動ける内容を増やすことで、実質的に1クロックで処理できるステップの数を増やしています。今の最先端のCPUでは、1クロックにつき、基本動作を3つから4つ同時にこなせるとされています。

・動作周波数が上がらなくても性能を上げるためには

上に書いたように、CPUの動作周波数が高くなると消費電力が跳ね上がります。

こうなるとCPUに電力を供給する仕組みなどにも無理がかかりますが、それに加えて今度は、CPUをどうやって冷やすかも問題になります。わずか数cm角のシリコンの板が最大130Wからの電力を使う訳ですから、面積あたりの発熱はちょっと馬鹿にならない値になってしまいます。

このため、CPUの性能をより上げるためにはどうしたらいいか、ということでCPUメーカーがとったのは、1つのCPUの中に2個とか4個分、CPUの機能を詰め込んでしまうことです。これが「マルチコア」CPUと呼ばれるものです。

「デュアルコア」はCPU 2個分の処理装置、「クアッドコア」はCPU 4個分の処理装置が詰め込まれています。さらに、超ハイエンドパソコン向けでは「オクタコア」、なんと8個ものCPUの処理装置を詰め込んだ製品まで存在します。もっと上を言えば、サーバ用には、最大18個ものコアを持つCPUまで存在します。

ここで出てきた「コア」というのは、CPUがプログラムを動かす装置そのものですので、コアの数分だけ、実際にプログラムを同時に平行して動かすことが出来るのです。

うまく作られたプログラムであれば、4つのコアを持つクアッドコアCPUを使えば、実行速度は4倍に近いところまで出せるようになります。

また、1つものすごく重たい処理を動かしていても、ほかの空いているコアを使って別の処理を同時に動かすことが出来ます。このためWindowsなどを実際に使う際の使い勝手、サクサク感と言われるような体感速度もとても向上します。

・高性能になりすぎたCPU

こういったいろいろな性能向上の工夫のおかげでCPUはとてもすごい性能を持つようになりましたが、普通に使うには、実は今のCPUは高性能すぎるところまで来ています。

一般の人が、普通のパソコンの最高性能を使いこなすことは、まず不可能、それぐらいまで今のパソコンは高性能になっています。