「タッチタイプ」のすすめ

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「タッチタイプ」は、パソコンでキーボードから文字などの入力を行う際に、手元を見ずにキーの入力を行う方法のことです。「ブラインドタッチ」と和製英語で呼ばれたこともありましたので、そちらの方が通じる方もいらっしゃるかもしれません。

ブラインドタッチは上記の通り和製英語で英語圏の人たちには通じない言葉なこと、タッチタイプのような入力方法を元々「触鍵法」と呼んでいたことから、だんだんとタッチタイプ、タッチタイピング、という言葉に切り替わってきたようです。

・タッチタイプのメリット

タッチタイプを使いこなせるようになると、いくつものメリットが出てきます。そのまず一つ目は、100%確実に文字入力の速度が上がることです。

キーボードを見てキーの位置を確認しながらの入力ではなくなりますので、入力速度はグンと上がります。十分な入力速度になると、講演などのメモを取る作業や、自分で考えながら文章を作っていく場合に、自分のアイディアがわいてくる速度などを十分にフォロー可能な入力速度になります。

もう一つは、手元を見なくて良くなるため視線の移動が大幅に減って、目の疲労が大きく減ります。人によっては目から来る肩こりなどが解消されることもあるでしょう。

・タッチタイプの練習方法

ただ、タッチタイプを完全にマスターするのはなかなか大変です。身も蓋もない話をしてしまえば、マスターのための特効薬はありません。とにかくたくさんタイピングしてみるしかない、というのが実際のところだったりします。つまりは練習ですね。

一応、練習の効率を上げるために気をつける点はいくつかあります。

一つ目は、キーボードの「ホームポジション」を確実に身につけること。次に、それぞれの指のが分担するキーの守備範囲をしっかりと理解することです。

ホームポジションはキーボードの上の手のひら、指の基本となる位置のことですが、右手の人差し指が「J」のキーの上、左手の人差し指が「F」のキーの上に来る位置です。

指を大きく動かさないと届かないキーに関しては、この位置から手のひらが動きますが、そこを入力したあとは自然とこの位置に手が戻ってくるようにするのが理想です。

それぞれの指の守備範囲はこんな感じになります。

– 左手
人差し指 4,5,R,T,F,G,V,B
中指 3,E,D,C
薬指 2,W,S,X
小指 1,Q,A,Z

– 右手
人差し指 6,7,Y,U,H,J,N,M
中指 8,I,K,「,」(カンマ)
薬指 9,O,L,「.」(ピリオド)
小指 0,P,;,/ とそれより右側のキー

文字だけで見るとイメージがわかないと思いますが、実際にキーボードに指をおいて眺め直してみると、直感的に理解できると思います。

ホームポジションと指の守備範囲を意識して入力を行ってこれを守れるようになっていくと、少しずつ入力の速度も上がっていくと思います。

・タイピングの練習ソフト導入も効果的

練習には一般に売られているものや、フリーソフトとして出回っているようなタイピングの練習ソフトを使うのも効果的です。

良いソフトですと、入力ミスの統計データを取ってくれていて、苦手なタッチ(=キー)を練習後に示してくれるようなものもあります。また、モチベーション維持に役立つものですが、練習の中でタイピング速度の計測を行ってくれるソフトもあります。

練習ソフト以外では、とにかくたくさんの文字を入力することが効果的です。たとえば日記をblogやSNSに書いてみることも一つの手段です。

・キーの位置ではなく指の動きの流れを覚える

ここは著者の体感的なものが混じりますので、100%全ての人に通じるものかはわかりません。と、前置きをしておきます。

入力が早くなるような打ち方を覚えるには、文字入力のためのキーの位置ではなく、ある単語を入力する際の「指の動きの流れ」を覚える方が効果的だと思います。

たとえば「おはよう」と入力する際に、ローマ字入力であれば「O」「H」「A」「Y」「O」「U」とアルファベットに分解してそれぞれのキーを探すのではなく、「おはよう」といったら、両手のこの指がこういう順番でこういう風に動く、という一連の動作の流れで覚えてしまうのです。

ただ、これも一朝一夕に身につくものではないと思いますので、とにかくたくさん文字を入力する機会を作ることが上達への近道でしょう。

そして短くてもいいですから、まずはいくつか得意なフレーズを作ってしまうことです。この単語であれば手元を見なくてもいっぺんに打てる、そこから少しずつ広がっていくはずです。